new 2025年12月8日

与論高校「ゆんぬ」発表会で見えた、高校生のまなざしと地域への想い。

〜探究の成果を地域へ〜与論高校「総探 ゆんぬ」校内発表会開催

2025年12月5日、与論高校にて「総合的な探究の時間 ゆんぬ(与論町海洋教育)」の校内発表会が開催されました。本発表会は、生徒一人ひとりが探究活動を通して見つめてきた地域の課題や可能性、その成果を共有する場として行われました。

【探究の成果を「発信」する学びの場】

発表会では、1年生はグループテーマで取り組んだ内容をスライドプレゼンテーション形式で、2年生は個人テーマで取り組んだ内容をポスター発表形式で発表しました。 1年生は、地域の日常や暮らしに根ざした課題に目を向け、Aコープ駐車場問題や野良猫問題、勉強環境の改善、地域文化・行事、地域経済やゆんぬふとぅばを残すための観光施策、エイサーを残すために高校生ができること、など、身近なテーマでの発表が多くありました。生活者としての視点を大切にしながら、「なぜこの課題があるのか」「自分たちにできることは何か」を模索する姿が印象的でした。 2年生は、環境保全、防災、エネルギー、住環境、子育て、通信インフラ、人手不足など、より複雑で広がりのあるテーマに挑戦しました。科学的な調査や地域への聞き取りを踏まえ、課題の背景を掘り下げながら、実現可能な視点で提案を行う発表が見られました。

【高校生同士の対話が生み出す深まり】

発表会を通して印象的だったのは、地域の大人からの質問以上に、高校生同士で質問や意見が交わされていたことです。 同じ世代だからこそ率直に投げかけられる問いや、「なぜそのように考えたのか?」といった質問投げかけられ、発表内容が深まっていく様子が見られました。 発表の後に、シンと静まり返ることなく、意見・賞賛・質問が飛び出し、考えを広げ合う姿勢は、「学び合う場」としての成果感じさせるものでした。

【未来を見据えた講評と期待のメッセージ】

「皆さんは、これからの地域をつくっていく“将来人”です。 今取り組んでいる探究は、将来の与論につながる大切な一歩。 どんな未来になってほしいか、そしてそのために今何ができるのか、大きな夢を語ってほしい。」 と、鹿児島大学 南九州・南西諸島域イノベーションセンターの藤枝センター長より、高校生たちに向けてメッセージが贈られました。 大倉校長からは、 「この発表会で終わらせないでほしい。 やってみたいと思ったことがあれば、ぜひ実際にやってみてください。 やらないうちから尻込みせず、一歩踏み出してほしい」 という力強い激励が送られました。

【次のステップへ】

「総合的な探究の時間 ゆんぬ」は、生徒が自ら問いを立て、考え、行動へつなげていく学びです。今回の発表会は、その成果を共有する場であると同時に、次の一歩へ踏み出すための出発点となる時間でもありました。 学年を越えた対話、仲間同士の問い合い、そして大人から寄せられた期待と励まし。 それらが重なり、生徒一人ひとりの中に「続けてみたい」「やってみたい」という思いが芽生えた機会になったことを願います。

これまでに協力サポート頂いた地域サポーターの皆様、そして、発表会にご参加・ご協力いただいた地域サポーター、中学生、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。 今後も本活動では、ゆんぬ学を通して、生徒たちの「島だちの力」の育成と「地域の未来へ」とつながっていく取り組みを続けてまいります。