new 2025年10月20日

「オープンデータを活用した地域課題発見研修」高校出前授業

~データで地域を読み解き、探究を深化させる~

2025年5月17日(金)、与論高校にて「オープンデータを活用した地域課題発見研修」が行われました。 本研修は、鹿児島県大島支庁主催のもと開催され、講師としてサイバー大学IT総合学部教授・鹿児島県DX推進アドバイザーの勝眞一郎先生が、与論島までお越しくださいました。 島外から専門家をお招きしての貴重な授業に、生徒たちは真剣なまなざしで臨みました。

対象:与論高校の1・2年生

本研修は、生徒たちが「自分の感じている地域の課題」を主観だけで捉えるのではなく、客観的なデータ(オープンデータ)に基づいて課題を発見・検証する力を養うことを目的に行われました。主に下記3つについて知識を深めました。

①地域課題の洗い出しと「認知バイアス」の理解 「地域の課題って何がある?」という問いかけから始まり、 生徒たちは空き家の増加、少子化、高齢化など、身近に感じている課題を挙げておりました。 続いて、その課題意識が“本当に客観的根拠に基づくものなのか”を見直すために、身近な島の事例をもとに「認知バイアス」について学びました。 生徒たちは、自分たちの考えの中に潜む“思い込み”に気づき、「データで確かめる姿勢」の重要性を実感した様子でした。

②オープンデータの活用と実践ワーク 次に、「オープンデータとは何か」を学び、その特徴や社会での活用例をまなびました。 「未来カルテ2050」、「RESAS(地域経済分析システム)」、「鹿児島県オープンデータカタログサイト」が紹介され増田。 未来カルテを実際に使用し、与論島と似たような状況の市町村とデータ比較を行いました。 与論町の将来人口の予測を目にし、「こんなに人口が減るの?」と、驚いている生徒の姿も見られました。 データを“自分の目で見る”体験を通じて、未来の与論島の姿をリアルに感じ取っている様子でした。

③ アンケート設計と調査の基本 最後のパートでは、オープンデータだけでは分からない「地域住民の意識」を探るためのアンケート設計を学びました。 勝先生からは、「調査の設計段階で結果の信頼性が決まる」という言葉が、印象的でした。 すでにアンケート実施している生徒もいますが、新たな学びを得て、探究のサイクルと2度、3度と回していってくれることを願います。

今回の特別授業で、データという“数字の裏にある現実”を知り、これまでとは違う角度で自分たちの島を考えるきっかけとなったようです。 勝先生、大島支庁の方々、貴重な学びの機会をありがとうございました!